国内外の地下水保全と
持続的な利用を
推進する取り組み
国内では水循環の健全性確保を追求し、地下水の適性な保全や利用に努め、持続可能な水利用の推進に貢献しています。
アフリカを中心とした海外の水道未普及地域においては、地下水開発事業を行うことで安全な水・衛生サービスへのアクセスを可能にすべく注力しています。
再生可能エネルギーのひとつ
地中熱を普及する取り組み
再生可能エネルギーとして、太陽光や風力と並び今後の普及が期待されている地中熱。当社埼玉工場では、地中熱ヒートポンプを用いた空調設備を設置しています。
オフィスや現場で実践する
CO₂削減への取り組み
地球温暖化による気候変動が深刻化する現代では、集中豪雨などの大規模災害が増加の一途をたどっています。こうした気候変動問題を解決するため、脱炭素社会の実現に向けた取り組みとして、オフィスでのCO₂削減に取り組んでいます。
インフラ整備と産業の
発展を支える取り組み
創業以来110年以上にわたり手掛けてきた「さく井工事」、そのノウハウを活かした「特殊土木工事」や「地質調査」といった当社事業そのものを通じて、レジリエントなインフラ整備と、イノベーションによる産業の発展に貢献しています。
社員の心と身体を支える
健康経営への取り組み
社員とその家族の心身を健やかに保つため、定期健康診断や健康に関するセミナー、メンタルヘルスの相談窓口設置などさまざまな健康経営に取り組んでいます。社員一人ひとりが健康的に働ける環境のみならず、健康的な文化の醸成を目指しています。
開発途上国の水インフラを
整備し飢餓をなくす取り組み
世界には、いまだ安全な水を手に入れることができない人々が多くいます。当社は地下水開発事業を通じて、飢餓をなくす国際貢献の役割を担っています。
多様な人材雇用と
活躍促進への取り組み
女性社員の活躍や外国籍社員・シニア雇用に関する制度の整備を推進。少子高齢化による労働力人口減少に対応するだけでなく、多様な人材が能力を発揮できる職場環境を実現し、企業のみならず社会の価値向上を目指しています。
会社概要
- 社名
- 株式会社 日さく
- 本社
- 〒330-0854
埼⽟県さいたま市⼤宮区桜⽊町四丁⽬199番地3 - TEL:048-644-3911
- FAX:048-644-3958
- 代表者
- 代表取締役社⻑ 若林 直樹
- 創⽴(創業)
- 1912年(明治45年)4⽉25⽇
- 資本金
- 1億円
- 事業内容
- 〇 さく井⼯事
- 〇 井⼾メンテナンス
- 〇 地下⽔関連設備⼯事
- 〇 特殊⼟⽊⼯事
- 〇 地質調査・建設コンサルタント
- 〇 海外事業
- 〇 井⼾⽤設備製造・販売
- 〇 技術開発
地下水の保全と利用の調和
現在、日本国内において、水道の蛇口をひねると出てくる水は、河川からの水だと認識している人が多いと思います。ですが実は、関東圏とくに当社が所在する埼玉県内では概ね水道水の10~20%ほどは地下水を利用しています。かつて昭和40年代頃までは、地下水は簡便な水資源として、生活用水をはじめ各種用水に広く利用されてきました。しかし、高度経済成長期に地下水を過剰に汲み上げたことによる地下水障害、すなわち「地盤沈下」が発生し、全国的に採取が制限されるとともに、天然資源の1つである地下水の保全と適正な利用について見直されることとなりました。当社は創業以来、水循環の健全性確保を追求し、それを維持すべく「地下水の上手な使い方」を推進しています。地下水取水後に地下へ還元することや、排水再利用技術の普及など、持続的な利用に携わり、これらは環境に配慮した取り組みとして評価されています。
一滴でも多くの水を、
一人でも多くの人へ。
世界では、今なお多くの場所で水や衛生環境に問題があり、人々の生活を脅かしています。特にアフリカの水事情は極めて厳しい状況にあり、毎日の水を確保するために女性や子どもが何時間もかけて遠くの水源に水汲みに行かなければなりません。そのため、女性は他の仕事に就くことができず、子どもは勉強をする時間がありません。こうした状況を改善するため、当社は1970年代より日本ODA(政府開発援助)の地下水開発事業を通し、アフリカ、中東・アジア、中南米を中心とする世界40カ国以上において、開発途上にある国々の給水設備の設置に貢献してきました。アフリカでは、人力ポンプ施設を4,300カ所以上、管路系給水施設を250カ所以上建設しています。また、近年では給水施設の建設とともに、公共トイレや手洗場などの衛生施設の設置にも取り組んでいます。
「水の日」の啓蒙や
節水コマの設置
当社の事業は水とともにあります。そのため、社員一人ひとりが水の大切さをしっかりと理解し、日々の業務に取り組んでいます。例えば、毎年8月1日の「水の日」には、社内のポータルサイト等で水資源の有限性、水資源開発の重要性などについて改めて意識啓蒙を行っているほか、水について考える会議を開いています。さらに、2021年からは事業所の蛇口に可能な限り節水コマを設置しました。全社を上げて水の無駄遣いを減らし、必要な分だけ使うよう心がけ、節水に取り組んでおり、社員一人ひとりが自分の家庭でもこのように実践するよう意識の向上を図っています。
豊富な実績をもとに
地中熱利用を推進
地中熱とは、浅い地盤中に存在する低温の熱エネルギーのこと。地中の温度は年間を通じてほぼ一定であり、夏は外気温度より低く、冬は外気温度より高いという特徴があります。この特徴を利用して効率的な冷暖房を行うことが、再生可能かつ経済的なエネルギーへの取り組みとして注目されています。当社は、創業以来110年培ってきた井戸掘さく技術や地質調査技術を用いて地中熱利用分野に取り組んでおり、節電やCO₂削減に貢献しています。実際に埼玉工場では、事務室と会議室の空調(60㎡)に地中熱ヒートポンプを利用。自社のCO₂排出量削減に努めているほか、お客様に最適な地中熱利用システムの計画から設計・施工までを一貫してサポートしています。
身近なオフィスから
地球環境と向き合う
当社は地下水と共生する企業として、気候変動問題に対し真摯に向き合い、身近なところからCO₂削減のための取り組みを行っています。具体的には、オフィスの電気使用量の「見える化」です。全てのオフィスで毎月の電気使用量をCO₂に換算した数値を示し、誰でも月々の増減が分かるようにしました。さらに、全国のオフィスビルにおける床面積あたりのCO₂排出量の平均値と、当社の値を比較し、着実にCO₂の削減ができていることを社員に向けてPRしています。また、会社にいるときだけではなく、社員一人ひとりが自分の家庭でもCO₂削減に貢献するよう働きかけ、日頃からSDGsを意識する啓蒙を行っています。
現場における環境負荷低減
現場においては、工事車両の「アイドリングストップの励行」「経済速度での走行」や、「工事照明の工夫」「省エネ・低燃費型建設機械の使用」「こまめな消灯」「こまめな空調停止」「夜間、休日のパソコン・プリンタ―の主電源停止」に取り組んでいます。これらの施策を各現場で月ごとに利用量「見える化」し、CO₂削減への意識向上を図っています。
廃棄物の削減と
リサイクル推進
当社では2013年3月にISO14001(環境マネジメントシステム:EMS)認証を取得し、業務全般の「継続的な環境負荷低減」活動に取り組んでいます。現場における代表的な取り組みでは、廃棄物の削減やリサイクルの推進、資源・省エネルギー型の機材の積極的使用などが挙げられます。また、現場では地域社会との関わりが第一と考え、地域の方々の要望や声の聴き取りに注力し、工事で発生する騒音・振動の軽減や、井戸掘さくの際に用いる泥水の管理徹底など、さまざまな問題点の解決を目指しています。
類稀なさく井技術で
水インフラ等を整備
当社は1912年に、日本初の機械化施工を導入したさく井工事会社として創業し、全国各地において豊富な実績を積み上げてきました。水道水源、工業用水源、食品・飲料用水源、農業用水源、災害対策用水源、地震観測井戸、温泉井戸、水溶性天然ガス井戸、地熱井戸等、さまざまな事業に当社のさく井技術が貢献しています。創業から経てきた当社の歴史そのものが水インフラ等の整備と密接に関わっており、産業と技術革新の基盤となる取り組みであるといえます。また、最近では設備や構造物の長寿命化が求められていますが、当社のさく井工事も、水中TVカメラやIoT遠隔監視装置の開発などで井戸の長寿命化を図るべく努めています。
高度な専門技術で
災害に強いインフラを
SDGsの目標9には「災害に強く強靭なインフラを整える」と示されています。この取り組みに大きく寄与しているのが、当社の主力事業のひとつである特殊土木工事です。1960年代初頭の地すべり抑止鋼管杭工事からはじまり、その後半世紀以上にわたり、さまざまな地すべり対策工事へ応用され、進化してきました。地すべり対策工事は、主として抑止杭やグラウンドアンカー等の構造物により地すべり土塊の動きを止める「抑止工」と、集水井・集水ボーリング・排水トンネル等により地下水を排除し安定化を図る「抑制工」に分けられます。いずれも土と水に関する高度な専門技術が求められ、当社の特殊土木工事の基盤となっています。今後も豊富な施工実績と蓄積された特殊技術で、防災工事のスペシャリストとして歩み続けていきます。
人々の暮らしを守る
多分野での調査実績
産業の発展を支えるインフラを整えるために、欠かせないものが地質調査です。当社では、創業時からの井戸掘さくで培った掘さく技術や地下水に関する知見を土台として、1960年代より地質調査事業に挑戦し、発展させてきました。現在では、地下水を保全するとともに地下水開発の可能性を高める地下水調査、地すべり・崖崩れ・落石崩壊などの斜面災害から人々とその暮らしを守るための防災地質調査、また道路・橋・トンネル・建築物といった社会基盤建設のための土木地質調査・構造物基礎調査・軟弱地盤調査など、あらゆる分野に展開しています。これらの調査には広範な基礎知識と長年の経験が必要であり、調査結果に基づく地盤に関する課題の抽出にも貢献しています。
社員と地域の
健康づくりに寄与
社員一人ひとりが健康であることは企業の社会的責任であり、本人のみならず家族も含めた健康の保持増進は企業の発展に不可欠です。当社では、人間ドックに準ずる項目を追加した定期健康診断、インフルエンザ予防接種、歯科検診などを全額会社負担で実施しています。また、デスクワークと車両通勤で運動不足になりがちな社員や、食生活が不自由になりがちな現場で勤務する社員に対し、月1回のオンライン運動セミナーや年1回のオンライン食生活改善セミナーを開催しています。さらに、本人だけでなくその家族に対しても、会社で得た健康のノウハウをPRするよう啓蒙しており、地域全体の健康づくりに貢献しています。また、毎年ストレスチェックを全社員に対して実施しているほか、産業医との連携、メンタルヘルスの相談窓口として外部サービスも活用するなど心を健やかに保つ取り組みも強化しています。
費用補助など
さまざまな福利厚生
健康づくりに関して意欲的に取り組む社員を奨励することも、健康経営の大切な役割のひとつです。例えば社員がスポーツクラブなどを利用した際の費用補助や、野球部・バスケットボール部といった活動の支援など、自主的な運動意欲をサポートすることによって健康への意識が高まるだけでなく、社員同士のコミュニケーションも活発になり、明るく楽しい職場の形成にも繋がっています。また、毎週1日ノー残業デーを実施しているほか、社員旅行などの全社的なイベントも定期的に開催し、全ての社員がメリハリを持って業務に取り組めるような職場環境を整えています。
多彩な給水事業で
継続的な国際貢献を
今、世界で飢餓が最も広がっている地域はアフリカで、その影響を最も受けているのは幼い子どもたちです。飢餓の問題は人々の健康や命を危険にさらすだけではなく、教育や雇用などにも関わってくる重要な問題です。当社は、長年、アフリカを主とした海外の開発途上国で地下水開発事業に携わり、国際貢献に尽力してきましたが、水資源問題の解決は「極度の貧困と飢餓の撲滅」に関連する重要な問題と認識しています。人力ポンプ施設、管路系給水施設など、開発途上にある国々のニーズに合わせた適切な給水設備を設置することで、衛生サービスへのアクセスが整うだけでなく、持続可能な農業の基盤を作ることができます。当社は今後も、水不足により食糧危機を招き、これらがより一層飢餓で苦しむ人々が増加することを考慮し、積極的に水不足解消に取り組んでいきます。また、日本は食糧を大量に輸入しながら、大量に廃棄しています。日本のような先進国が優先的に食糧を確保し、無駄に廃棄していて、最も被害を受けているのは貧しい人々であることを理解し、食品ロス解決に向けた取り組みを行っていきます。
多様な人材登用に柔軟に対応
ジェンダー平等とは、誰もが性別に関係なく、平等に機会や権利や責任を分かち合い、あらゆる物事を一緒に決めることができることを意味しています。当社ではこの「性別」に加え、国籍や年齢などで差別のない処遇を実現し、多様さを活かし企業の競争力に繋げられる職場環境を推進しています。具体的には、女性技術者10%、女性管理職8%を2030年の目標に掲げ、出産や育児などのライフステージの変化に左右されない働き方を整備しているほか、65歳への定年引き上げや70歳までの雇用期限の拡大により、シニア人材が長年培った知識や技術の継承を十分に行えるよう制度を整えています。また、外国籍社員の採用も推進しており、グローバル化にも対応、女性社員や外国籍社員に関しては、互いの悩みや困りごとを共有し、会社に改善策を相談できる懇談の場を定期的に設けています。
テレワーク導入や教育制度の充実
「顧客満足度向上には社員満足度向上や社員幸福度向上が不可欠である」との理念のもと、全ての社員がやりがいを持って活躍できる職場環境を整備しています。例えば子育てや介護など家庭の事情で出社に負担のある社員にはテレワーク制度を適用し、ワーク・ライフ・バランスのとれた働き方を実現しています。また、社員一人ひとりが各ステージに応じた研修や資格取得に挑戦し、プロフェッショナルとしてスキルアップできるよう、社内外の教育の場への参加推進、資格取得試験の受験料全額会社負担、合格祝金・資格手当支給といった手厚いサポートを行っています。当社はこれからも向上心を持って自ら努力し、業務を通じて社会に貢献できる「人財」の育成に注力していきます。